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事業案内

有機フッ素化合物分析

有機フッ素化合物とは

有機フッ素化合物の独特な性質(水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しない等)は、撥水剤、表面処理剤、乳化剤、消火剤、コーティング剤等、身近なものから工業用まで幅広い用途に使われてきました。 しかし、自然界ではほとんど分解されないため、近年、地球規模での環境残留性、生態蓄積性及びその影響が明らかにされてきています。このことから、さまざまな規制制定が国内外で現在も進んでいます。
有機フッ素化合物は、炭素-フッ素結合を持つ有機化合物(パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物、PFAS、PFAS類)の総称で、炭素鎖の長さが異なる複数の同族体が存在します。なかでも、炭素数が8の「パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)*1」「パーフルオロスルホン酸(PFOA)*2」については、毒性・蓄積性が明らかになり、また、規制のかかったPFOSの代替物質として、「ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)*3」が用いられ、PFHxS及びその塩についても注目されています。


有機フッ素化合物の測定対象媒体、基準など
○ 法規制等

排出された有機フッ素化合物は様々な自然環境、生活環境に存在しています。
当社では下記媒体の有機フッ素化合物分析に対応しています。

法令等一覧(2019年12月現在)
・「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」
PFOS 及びその塩 : 附属書 B(制限物質)掲載
PFOA 及びその塩 : 附属書 A(廃絶物質)掲載
PFHxS 及びその塩:POPs 検討委員会で検討中
・「化学物質審査規制法(化審法)」
PFOS及びその塩 : 第一種特定化学物
PFOA 及びその塩 :審議会で第一種特定化学物質適当と答申
・水道水質基準
PFOS、PFOA : 要検討項目
・REACH 規制
2020年7月4日以降、PFOAを25ppb超えて含有または
PFOA関連物質が合計1000ppb超えて含有する製品の使用と上市禁止

○ ラインナップと必要試料量

また弊社では、すでに規制の対象となっているPFOS・PFOA、注目されているPFHxSを含めた、有機フッ素化合物20種類以上のラインナップがございます。
そのため、今後注目される成分にいち早く対応が可能です。

媒体 必要試料量 定量下限 参考基準値等
公共水、地下水、排水等 約200ml 1ppt 飲料水、地下水基準:米ニューハンプシャー州
PFOA 12ppt
PFOS 15ppt
PFHxS 18ppt
PFNA 11ppt
水道原水及び浄水 約200ml 1ppt
製品 約10g ご相談ください  

有機フッ素化合物の採取から分析まで
1. 採取

    PFCsは生活環境の中に溢れています。河川水、地下水、飲料水等の検体中の正確な濃度を出すため、扱う採取器具、容器の材質に至る一つ一つに注意が必要です。
    また、弊社では高感度の分析を行うことにより、採取量を少量に抑えることが可能です。

2. 前処理

    試料から有機フッ素化合物を抽出精製、濃縮します。

3. 測定・定量

    精製された有機フッ素化合物を高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)を使用して測定・定量します。

4. 高感度なLC/MS/MS測定

    前処理工程で抽出、精製した試料からpptレベルの有機フッ素化合物を精度良く検出するために、高感度、高分解能の高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)を使用します。


    【高分解能高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)】


    極微量の物質を検出するためには、高い感度が要求されます。前処理での精製で有機フッ素化合物と似た挙動を示す妨害物質が、すべて除去できているとは限りません。
    有機フッ素化合物とそれらを、正しく判別して測定するためには、それぞれを正確に分離、識別する能力、すなわち高分解能が必要となります。
    当社ではトリプル四重極を持つ質量分析装置を用い、迅速かつ正確な測定、定量を行っています。

5. ご報告・データ管理

    独自のデータベースシステムを用い、試料の管理、工程の進行確認、測定データからの濃度算出まで一貫して行います。
    弊社は、分析のプロが長年培ってきた経験をもとに、採水から測定、データ管理まで高品質の成果をご提供します。

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